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マンションに着いて、玄関ドアを開ける。時間は15時を過ぎていた。
リビングにはカップめんの空き容器と、コップ。ビールの空き缶。キッチンの換気扇の下には、煙草の吸い殻が数本入った灰皿。なんとなく想像がつく、昨夜の源也の残骸。
洗濯機のところへ行き、あまり溜まっていなかった洗濯物を放り込んで、電源を入れる。ついでに、着ていた服を脱いで、それも入れた。
下着のまま寝室へ行って、着替えをする。それと、大きなバッグとキャリーバッグを引っ張り出す。このキャリーバッグ、源也と旅行するのに買ったのに、結局1回しか使わなかったな。
一度に全部の荷物を運び出せるわけが無いから、源也と話したら、後で整理することにして、持ち出せそうなものはバッグに詰めることにした。
どこか、部屋を借りないといけない。ここを出たらその足で不動産へ行こう。すぐ入れるところ、職場に近い方が良い。良い物件がありますように。あとは青司に連絡をして……。
時短で回していた洗濯機が止まって合図を鳴らしている。先に洗濯物を干してしまおうか。夜、源也が帰ってくる頃までには、あたしの薄手の洋服は乾くだろうから。
荷物の詰め込みを一旦止めて、洗濯物をベランダに干していた時だった。玄関が開く音と閉まる音。あたしはドキッとしてリビングの時計を見た。まだ17時前。その視界に、源也の姿が入った。どうしてこんなに早く……。
「あ……おかえり」
「……」
「は、早いんだね、今日。どうし……」
「帰ってたのか」
ネクタイを緩めながら、ソファーに鞄をドサリと置く。ニコリともせずに上着を脱いで、そのまま冷蔵庫を開けて、ペットボトルの水を飲んでいる。
あきらかに、機嫌が悪い。当たり前か。



