ハイカロリーラヴァーズ


 気付かないようにしてただけ。源也を好きなことに嘘はなかったけど、もう未来も見えなくなっていた。あたしへの愛は薄れて、一緒に居ても怒って、時々暴力を受けて。

 青司と関係を持ったのは、源也の穴を埋めたかっただけ。寂しかっただけ。分かってたのに。あたしを求める青司の眼差しを受け入れて、その体で源也のところに帰るのが辛かっただけ。寂しかっただけなんだ。

「青司……」

 後ろから抱きしめてきた青司の肌の熱が確かでリアル。また涙が出てしまいそうだ。

 源也があたしを想わなくなったのはいつからなのか分からない。それに気付き初めて、先が見えなくて、あたしの想いも冷えてきてしまった。食事の時、テレビを見てる時。起きた時、眠りにつく時。もう、一緒に居る意味すら……。

「ごめん」

「謝らなくて良いけど。俺も最初はセックスだけで良かったから」

 下品な言い方も、粗暴な抱き方も、源也とは違う。最初からそうだった。目隠しをしたって変わらない。最初から、そんなの分かっていた。

「寂しいってだけで、一緒に居ちゃだめかよ」

 耳元で青司の湿った声。その声と背中の熱と。薄汚れたホテルの1室。

「俺、帰って……ひとりで寝るの、もう嫌だ」

 いっそう青司の腕に力が入る。青司の寂しさが伝わってきて、もうとっくに溢れ出していた涙がますます吹き出した。いつからなんだろう。会うことで青司の寂しさを増強させてしまっていたのは。

 面倒は嫌い。そう思っていたのに。ふたりとも。

 でも、寂しいのはもっと嫌い。