ハイカロリーラヴァーズ


「いつ……言おうかと思ってた。それがいまになっただけだよ」

「……」

 テレビは点いたままだ。ずっとバラエティ番組が放送されていたけど、行為に夢中で内容なんか見ていないし覚えてない。この部屋には、初めからふたりしか居ない。

「華さん……」

 あたしはベッドの端に座って、ブラウスのボタンを留めないままだった。

「そんな男、別れた方が良い」

 何度も言われた台詞だった。別れろよ。それが出来ないでいるから、こんな風になっているわけで。青司は源也を知らない。当たり前だけど会ったこともない。

「好き、なんだもの」

「本当に、好きなのか?」

 誰を。源也は、他に女が居るのに。本当に? あたしをもう見ないのに。本当に好きなの?

「……好き」

 一体、誰のことを思って言っているの。あたしは。

「思ってたんだけど、俺のこと見ないように目隠ししてるんだろ?」

 あたしが、目隠しをしているのは……。

「想いの無くなった彼氏への、罪悪感だろ……?」

 体が悲鳴を上げる。違う。

「やめて」

「ちゃんと見ろって」

 濡れたような目があたしを見てる。光ってる。

 秘密を重ねるあたしを、それを見る真っ直ぐな青司の目を、見たくなかった。