返事はしなかった。青司がそこまで分かるなら、全部言いたくなかった。
顎を上に向けられて、また口付け。その途中で、あたしは目を開けた。薄暗い部屋と青司の匂いは変わっていないのに。顔を話した青司は、あたしの瞳をのぞき込む。綺麗な、真っ直ぐな瞳。
「華さんの彼氏、他の女と、こういうことしてんだ」
そう言われて、頭に血が上る。でもあたしだって……。
青司は右手で乱暴にあたしの乳房をつかむ。少しだけ痛みが走った。
「喋らないで。お願いだから……全部、あたしの全部を塞いでいて」
また目を閉じた。もう、嫌だよ。誰か、助けて欲しい。
「華さん」
ねっとりとした口付けを止めて、青司はあたしを強く抱きしめた。なんで、止めるのよ……。
「大丈夫だよ、泣かないで」
「せい、じ」
「泣かないで」
青司の腕に強く抱かれた。涙が溢れてくる。目を開けると、涙で薄暗い天井がぼやけて見えた。
「う……」
涙も声も抑えられない。
あたしを抱く肩が震えてる。この腕は、青司のものなの。あたしよりも子供で、でも強がってる。青司も、泣いてるの……?



