「……同じように、して」
会ったことも無いあたしの恋人と、同じようにしてと頼まれる青司。同じようにしてと頼んでも、あたしは身を任せているだけ。馬鹿馬鹿しいこの行為。でも……。
「目、瞑っといてよ……」
目隠しを忘れている。して欲しいのに、青司はしてくれない。この部屋、なにか変わりになるものは……。
「せい……」
「嫌なら、目ぇ瞑っとけよ。俺の顔を見たくないなら。彼氏と違うのは分かってる」
そう、分かってるの。
「同じようになんか、たぶん、できてないだろ」
全部、分かってるの。
声が、違う。肌だって、手の形だって、違う。
目隠しした暗闇の中で、青司を使って、あたしは源也に抱かれている夢を見る。青司の腕の中で。目隠しをして、夢を見る。偽物の夢に抱かれる。
「耳も、塞いで。全部、塞いで……聞きたくないよ、もう、やだよ」
なにも見たくない。聞きたくないよ。源也が貰ったクッキーに入っていたあのカードも、嘘をついている源也も、あたしも、そんなあたしを見る青司も……。
寂しい空洞は、すべてを飲み込んでいくんだ。
「……なにが、あったの」
肩を撫でる指先。あたしは、自動再生される映像を見ていた。頭の中で。
クッキーの入った袋。カード。それを見てるあたし、後ろ姿の源也。
「あのひと、他に……」
他に、あたしの他に女が居る。あたしは、一体なんなのだろう。源也のなんなの。
「ああ……そっか」
短いため息と共に、噛むような口付け。唇を話すとまた青司はため息をついた。
「……他に、女作ったか。そっか。華さんがそれに感づいたってところだな」
「……」



