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守ってもらわなくちゃ生きて行けない女なんて、情けないし、そんな風になりたくない。だけど、一緒に居たら安心できる、そんな人が居たら、寄りかかることを覚えてしまう。
温もりも存在も、1度体が覚えたら、もうそれ無しだった自分に戻れない。記憶した体と心は、もとの形に戻れないんだ。
汗をかいた体が重たく、でも脳みその中はいろんなことでぐちゃぐちゃで、いまはただ行為に没頭するしか思いつかなくて。
つかの間でも。寂しい空洞を埋めるために、あたしは青司と会っている。最初からずっと、そうなんだ。
脱いだ服は、ホテルのソファに投げた。汗で髪が頬に鬱陶しく貼り付く。
「……っ」
安っぽい柔軟剤の匂いがするシーツの上に組み敷かれて、天井を見ている。青司の息づかい。髪の毛をつかまれて、声が出てしまう。
「ごめん」
青司の乱暴な要求に、人形みたいに身を任せる。
「彼氏となんかあったんでしょ。ねぇ、なんで教えてくれないの。慰めてあげる」
「べつに……」
「またべつにって」
あたしなにも話してないのに、なにを言ってるの。
「あと、俺もライブの興奮が冷めないから、華さんとしたくてたまんねーから」
精一杯背伸びしてるように見える青司。あたしを慰めるとか、でも自分もやりたくて仕方がないとか、そのアンバランスさに笑いが出てしまう。
「遊び人」
「華さんだってそうなんだろ」
ふたり、最初からそうだった。
肌は熱を持って、切なくて、泣きたくなる。



