ハイカロリーラヴァーズ


 ビールにチビチビと口を付けながら、ワイワイやってるのを眺めてる。青司はあたしの隣から動かない。

 なんかもっと……ビール注ぎに行ったり、ほかのバンドメンバーに話かけに行ったりしたほうが……。こそっと耳打ちした。

「青司、リーダーじゃないの? ここにずっと居なくてもあたし大丈夫だよ……?」

「リーダーは俺じゃないよ。リュウセイがボス。俺はああいうの苦手で……」

 そうか。ボーカルがリーダーとは限らないか。

「ライブでもあんまり喋ってないもんね」

「……うるさいよ」

 MCの時の青司を思い出して、少し笑ってしまった。

「そうやって普通に喋れば良いのに」

「それとこれとは使う脳味噌が違うの」

「あっそ……」

 青司はなんかオレンジ色のお酒を飲んでる。また甘いの飲んでるのかな。

「……今日ね、良かったよ」

「うん?」

「ライブ」

「ありがとう」

 えへへと照れて笑った。あたしも多分、同じような顔をしていたと思う。こんな風に褒めたりするのは初めてだった。でも、お酒が入ったのとは関係無く、素直にそう思ったから。ちゃんと言わなくちゃ。

「たくさん入って良かったね。ギュウギュウだったよ」

 そう、見るのは大変だったけど、すごく素敵なライブだった。歌もパフォーマンスも。

 みんな、楽しそうにしてるな。あれだけたくさんお客さん入ったんだし、嬉しいだろうな。1バンド目と2バンド目は見てないけれど。