演奏が始まると、これも足元からズンズン来るアップテンポの曲だった。そして、高音が魅力的な青司の声。バンド全体が声援と音と光に包まれている。脳味噌が回転してしまいそう。
目を閉じると、暗闇の中で、音と、青司に導かれるようだ。こんなこと思うのって変かもしれないけれど。でも、だって、そう思うの。
見えないけれど、分かる。知らない種類の青司の声だけど、きみだって、分かるんだ。見えなくても、触れていなくても、名前を呼ばれなくても、青司なんだ。
ラストナンバーは、メンバー全員ピョンピョン跳んだりして、楽しさを全身で表していた。こっちも自然に体が動いてしまう。
素敵だな。素直にそう思うよ。こんな風に大勢を楽しませることができる人だったなんて。凄いよ、青司。あたしが知っている青司と違う。でも、嬉しい。なんだか、泣きそう。
スン、鼻を鳴らした時に、ゆっくり青司がこっちに顔を向けた。すっと流れた視線。あたしのそれと合う。目が、合った。分かったのだろうか。口の端をくっと上げて、彼は笑った。
泣きそうなあたしを笑わないでよ。そんなところから。
少しだけ、作り笑いをしたあたしは、自分で自分を笑った。



