ハイカロリーラヴァーズ

「……」

 なんか昨日、寝言みたいなこと言ってたけど、なんだか調子が狂うよ。やめてよ、そんな目で見ないで欲しいよ。

「連絡する」

 会えないかって聞いておいて、自分からの連絡を待てって言うのね。

「勝手……」

「え?」

「なんでもない」

 思わず口に出てしまった言葉でも、青司は気付いていない。いいよ、細やかにあたしのことに気付かなくたって、不満に思わない。

 そうやって雑に扱っていて構わないと思うよ。だってあたし達は恋人同士じゃないんだもの。

 連日遅いのは、あまり良くない。仕事が忙しいで通せるけど……別に。だって、源也はあたしの帰宅が遅くても早くても、機嫌が悪くなる時は悪い。

「分かったから、少し休んだら授業戻らないとだめだよ」

「……うん」

 明日、行くとは言っていない。ああクソ……甘いな。あたしはいつからこんなに甘いんだ。体だけの付き合いなのに、甘やかしてどうする。

「華さんさ」

「うん?」

 捨て犬みたいだったのに、もう立ち直ったんだろうか。

「今度、ライブ観に来てよ」

「……えー?」

 どういう風の吹き回しだろう。いままで一度だってライブに誘ってなんてくれなかったのに。どうせこれも気まぐれだと思うけど。

「考えとく。だって人混み苦手だし」

「ライブハウスは入ったことあるんだろ?」

「あるけど、それとこれとは別でしょ」

「どれとどれだよ」

 そう文句を言う青司を見ないようにした。
 こんなおしゃべりをしてる場合じゃない。仕事に戻らないと。

「じゃあ、あたし戻るから」

「ああ。まーたねー」

 そう言って、青司はまたベッドに寝転がってしまった。授業に戻る気なんてさらさら無いのでは……。

 とりあえず、青司を残して保健室を出て、そっとドアを閉めた。