避けようとする顎を掴まれ、キスをされる。ばか、ふざけないで。こんなところ、誰かに見られたら……!
「やめ……」
「心配で来た?」
「うるさい」
「走って来た?」
あたしの額の汗を指でなぞっている。
「ちょっと、どいてよ。あたし戻らなくちゃ」
「だーめ」
あたしを抑えていた手を移動させて、制服のスカートに手を入れてくる。あたし仕事中なのに、この盛りのついたガキ。クソ男。
「……いい加減にしなさい!」
少しきつめに言った。大きな声は出せないから、毅然とした態度で。ふざけている場合じゃない。
確かにこの保健室はあまり仕事をしない部屋だけど、絶対に誰も来ないとは限らない。それよりも、ふざけてこんなことをする青司に腹が立った。
組み敷かれて下から睨んでいると、こっちの剣幕にその気を無くしたのか、青司は口をとがらせて「ちぇっ」と舌を鳴らした。
舌を鳴らしたいのはこっちだ、ちくしょう。
まったく……馬鹿過ぎるし最低だ。昨夜、会ったばかりだっていうのに。
ぶつくさ言いながら、体を起こしてベッドから立ち上がった。制服のスカートが捲れ上がっていて、余計に腹が立った。
早く戻らなくちゃ。どこで油売ってんだって言われちゃう。
「今晩、会えない?」
「だめだよ。昨日遅かったんだから、今日は真っ直ぐ帰る」
「明日は?」
ちゃんと言って聞かせようと振り向くと、ベッドの上であぐらをかいて、捨て犬みたいな目をしてこっちを見てる。お前そうやって女を……女を。



