ハイカロリーラヴァーズ


「一応ここの職員なんで。具合悪いとかうそだと思ってた。分かってた。知ってた。でも来た」

「華さんしつこい」

 どうやら青司の他には誰も居ないようだ。少しほっとする。心配して急いで来て損した……なんだか腹立たしい。大人をからかうんじゃない。

「大丈夫そうね。あたし仕事あるから。休んだら授業に戻りなさいよ」

 どうせさぼっていたんだろうっていうことぐらい分かってる。具合が悪いわけじゃなさそうだ。少し厳しく言ってあげないといけない。上半身を起こしてあぐらをかく青司を見下ろす。

「あ、冷たいなぁ。具合悪くて寝てたのに」

「さぼってんじゃない」

「昨日あのあと、メンバーと飲んでて寝たの朝方だったんだよ。ちょっとさぁ、なに怒ってんだよ」

 腕を掴まれて、コンビニの袋がガサガサ鳴った。別に怒っているわけじゃない。なんだか気に入らないだけだ。

「昼飯?」

「違う……お茶、これ置いて行くから」

 あたしはペットボトルを袋から取り出して、シーツの上に放った。「じゃあ」と言って去ろうとした。

「居れば」

「ばか言わないで。誰か来たらどうするの」

「来ないでしょ。ここあんまり使われてないの、俺、知ってんだ」

 いたずらっぽく見上げて来て、腕を引かれる。ふざけている場合じゃないでしょ。なにを考えているんだろうか、この男。

「あたし、戻るから」

「またそんなー」

「ちょっ……」

 更にぐっと腕を引かれて体勢を崩し、ベッドに倒れ込んでしまった。すると青司が覆い被さってきた。

「……馬鹿!」

「ちょっとくらい良いでしょ」