ハイカロリーラヴァーズ

 ああもう。酒が残る頭のせいで書類にある数字や漢字が頭に入ってこない。仕事に支障が出るほど飲むのって、社会人失格だと思うのだよ。またため息をついてこめかみをグリグリ押した。

「頭痛いの? 華ちゃん」

 リエちゃんがデスクの向こうから声をかけてくれた。

「ちょっと昨日飲み過ぎちゃって」

「なにー飲みに行ったの? いいなぁ」

「ちょっと友達とね。帰って来てからまた飲み直しちゃって……」

「出たよ、この酒飲み」

 リエちゃんと飲みに行くことも時々あって、初めて一緒に行った時に結構な量を飲んだ。それからもう彼女にとってあたしは大酒飲み認定されている。

 一升瓶全部飲んだとか、ワイン3本飲んだとか、ビールひとケース飲んだとか……。覚えてないけれど、たぶんそんなに飲んでいないと思う。

 ブルブル。軽い頭痛を目の奥に感じながらリエちゃんとの会話で笑っていると、制服のポケットでスマホが振動した。メールだ。

「具合悪くて保健室に居る」

 句読点の無いひとことが、画面に映し出される。青司からだった。保健室? どうしたんだろう。風邪でもひいたんだろうか。

「どうした? 熱でもあるの?」

 ささっとそれだけ返信する。ポケットへスマホを仕舞おうとすると再び振動。速攻の返信だから、授業中ではなく本当に保健室に居るようだ。

「わかんね」

 ……なんだよこっちこそ分からないよ、それじゃ。とにかく、いま青司は体調を崩して保健室に居るらしい。予備校の保健室は、ただベッドがあり休めるだけの部屋なんだけれど。クラス担任にでも申し出て、休んでいるのだろう。