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「とりあえず、入って」
青司は、少し暗い表情で出迎えてくれた。当たり前か。食事をしたのだろうか。カップラーメンの容器がシンクに置いてあった。
「体、なんともないか?」
「うん。ちょっと食欲無くて、食べなかったりしてたから……」
ふと、こんな風に会っていて良いのだろうかという考えが過ぎる。別に監視が付いているわけじゃないけれど。
まず、いつものソファーに座る。なにか飲み物を買ってくれば良かった。
「聞いたよ。知ってて脅してたんだってな。松河」
「……」
「なんで言わないんだよ」
言えるわけが無い。
「俺に言っても仕方が無いって思ってたんだろ」
「違う」
「迷惑がかかるとか、そんなところだろ。雰囲気おかしいと思ってたんだ。鍵を渡した時」
あたしの考えなどお見通しだとでも言うように、青司は言った。
「だって、青司の将来に関わると思って……」
「俺の将来は、俺が決める」
もう、退学となってしまっては、あたしの考えは浅はかだったとしか言えない。
「ごめんなさい」
「ちょうど良かったんだ。辞め時だよ」
「青司」
「辞めようと思ってた」
思ってたなんて。そんなの嘘だ。
「あのね、華さん。聞いて」
うつむくあたしの手を取って、青司は言った。静かな声で。



