とある日、昇が会社帰りに

同僚と二人で喫茶店に入った。

そこで同僚が愚痴のように言い始めた。



『男性も育児に参加しろ、て

言うならば

離婚した際、親権が母親にだけいくのは
おかしくないか?



俺のところはまだ子供いないけどさ、理不尽だよなあー、女尊男卑じゃないか?』


すると昇は言った。

『確かに必ず母親に親権がいきがちなのは、おかしいと思う。

だけど、育児って夫婦で責任を持って担うべきだと俺は思う。
自分の息子、娘なんだから。

父性母性がこれっぽっちもない人は、
初めから
子供を持たない方がいいと思う。



夫と妻のどちらかが専業主婦(主夫)なら、家事はその人の担当だろうけど
育児は夫婦どちらにも
責任というか、
義務があるし、愛情はもちろん、覚悟も責任感も、必要なんだよね。父親母親としてのさ。



子供が生まれて初めて実感したんだけど
育児って定時も出勤時間も御給料もまったくないし、休みの日もないよ。特に、夜中に何時間かおきに授乳するのも大変だと思うよ、昼間は子供の世話や家事があるから、昼寝もできないし。子供に手がかかるうえ、子供に何かあったら、て不安になるから、20分程度の昼寝すらもできないんだよね。
子供の世話しながら家事すると、なかなか思うように家事進まないよ。料理や家事の間に少し子供から目を離したら、転んだり怪我したりしてぎゃあぎゃあ泣いてしまう事もあるし。
パパ友達も言ってるけど、リビングを片付けて
ルンバかけても、幼稚園から子供帰ってきたら、ほんの一瞬でかなり散らかるってよ。幼稚園児やそれ以下の年齢の子は、すぐ散らかすし片付けるのも上手くはないし。

どれほど父親母親が疲れてたり忙しくっても、
24時間体制で子供のことを世話し、見守らないといけないし、体調悪くなったら病院とかも連れていったり、看病とかもしないとならないし、あとこれから、トイレトレーニングとかも必要なるし。

育休探偵っていう面白い小説にかいてるとおり、出産って,命懸けの大仕事だよ。一部の動物にとっては生死に関わる大仕事だと。
俺は男性だから,腹を痛めたり命の危険にさらされながら出産したり、まして280日も自分の腹の中で子供の命育てたりは経験してないが,
それ,かなり,しんどく大変だよ。
美紀ちゃん悪阻の時辛そうだったよ。
二日酔いがずーっと何週間も続くみたいな感じだと,美紀ちゃん,後から,言ってたんだよ。
妊娠は病気じゃないと言うけど,病気でないから,安易に薬にも頼れないし
お腹の中の子供に別状はないか気掛かりにもなるし
余計辛くしんどいんだよ。
なぜ,女の人だけ命の危険にさらされて出産や妊娠っていう一番大きい仕事を課せられるか,ちょっと,辛そうで大変だなって思ったよ。
俺,半分だけでも,その辛さ,背負いたかったよ。』
と、昇。