今、ようやく長女は
眠った。


『さて、僕らは育児に少しずつ慣れていかないといけないね。
人の親になったんだから。』


『ええ。もちろん、あなたとの間に生まれたあの子のこと、
とても愛してるわ。』



『それに、
暖かな家庭にする、って
結婚のとき、
僕らは誓ったんだものね・・・・・。』


昇と美紀は、やや散らかっていた部屋の中を、少し片付け始めた。
ゴミは分別しゴミ袋の中に入れ、
床やテーブルに置きっ放しだったものを元の場所に戻し、脱いでたものは洗濯機の中へ入れ、
テーブルの上を布巾で拭いた。




育児は、二人が想像していたのより
はるかに大変なことや思った通りにスムーズに進められない時が、多々あり、
ー子供が生まれる前は2人とも、子供が生まれたばかりの時期は、夫婦にとってこの上なく癒されて安らかで、一番安らぎとしあわせと温もりとを感じる時間なのだと、ただ思い描いていたー
炊事、
食器洗い、洗濯物を畳む、アイロンがけ
キッチンやガスコンロや換気扇や浴室やトイレの掃除、必要なものの買い出し、
家中のゴミをゴミ出し前に集める、洗濯洗剤の補充、などのうちいくらか
少々おろそかになってしまう時があった・・・・。