ミステリー

そして、朋子にはもう一個消えない傷の原因になってることがある。
数ヶ月前だろうか。
木村商店からの買い物から戻ってきた母に、
「木村有季ちゃんの母さんにあったわよ。
(木村有季ちゃんは朋子と同じ幼稚園に通った仲で別の小学校にいっている、
彼女の母が木村商店の店長)
有季ちゃん活発になったしお友達たくさんいるから、いっつもお友達と遊びに行っているから、
有季ちゃん全く全然ちっとも家にいないってよ。
有季ちゃん全く全然ちっともおうちにいないのよ、遊ぶ仲間が、友人がいっぱいいて活発で陽気なったって、有季ちゃんの母さん言ってるわ。
いいわね、
それに比べて、うちの子は、家帰ってくるなり
飲んで食べて
普通仲間やお友達たくさんいて家になんかいないのが普通の子なのよ」
とため息混じりに言われ、
朋子はその晩1人だけで泣いた。
ずーっと泣き
朋子は母と父にとっては自分よりも
その有希の方が自慢の子なんだろうと思った。
それ程有希ちゃんが自慢なら
有希ちゃんのようによくできた子と
養子縁組すればいいのにと思った。
母と父には、
母と父には、きっとうちなんかよりも
有希ちゃんの方、不可説不可説転の
不可説不可説転乗倍も大事で自慢の子なんだろう、
そんなら、よくできた子供見つけてその子と
養子縁組して養子にして
自慢して歩けばいいさ!
そんなら、有希ちゃんみたくよくできた人気者の自慢の子を養子縁組して養子にして
町中に自慢せばいいさ!

すくなくとも、あたしよりなら、有希ちゃんのほう不可説不可説転の不可説不可説転乗倍も大事で
可愛いんだろ!
でなきゃ絶対他の子とあたしを比較したらなんか絶対しないはず
他の子とあたしを比較するってことは
あたしよりなら他の子、とくに有希ちゃんのほう
不可説不可説転の不可説不可説転乗倍は大事で自慢の子で可愛すぎだろ!
なら有希ちゃんと養子縁組して有希ちゃん養子にして自慢して歩けばいいだろ!
うちなんかよりなら、有希ちゃんのほう自慢で可愛すぎなんだろ!

うちなんかより、うちよりなら
有希ちゃんのほう、不可説不可説転の
不可説不可説転乗の不可説不可説転乗倍は大事で自慢の子なんだろ!
でなかったら、自分の子が大事なら
自分の子が大事で可愛いなら
他の子と、とにかく他の子と、特に有希ちゃんみたく人気な誰からも友人として慕われる子と自分の子を比較するわけなんかないさ!

うちだって次は、青川次郎みたく絶対的に優しい人、人の弱さに対しても偏見のない優しい親が良いよ。

と朋子はその晩1人で荒んで泣いてた。

作者の体験からして、幼い時期またはおよび、
思春期の荒みやすい年頃には、
こういう精神的に荒むことは誰しも大なり小なり経験するのだ。
まして、よそのお子さんと比較するなんて
絶対にもってのほかで取り返しのつかない傷を
そのお子さんに一生、死ぬまで背負わせることになることも往々にして多くあるのだ!
それが朋子さんの年代の方々や、朋子さんの年代の親御さんらにも理解いただけたら幸いなのだ!

(ここで、切実な思いであるが、とくに
小中高生以下のお子さんを持つ方は、間違っても
お子さんと友人を比較してはならないと思ってます
朋子または彼女のような子については、
いじめられても、いじめる側になってないだけでもかなり偉すぎる方なのでまず、
そのいじめる側になってないことを
十分すぎるほど誇りな立派なことであると
そう伝えるのが第一だと思ってます
友世はもちろん、朋子みたいな人、昔の友世自身、そしてAちゃんと当時の友人みたいな悲しむ人が、悲しむ辛くなる子がでないよう
その問題が根絶でき
いじめという単語自体がこの世から完全に死語となる日まで取り組む意志姿勢は変わらないので
読者の方々もぜひ朋子の前向きに勇気を持つようになるのをどうか褒め称えていただきたい!)



その日の帰り。



家までの方向が同じで、同じ町内に住んでいる
みり、芽衣、涼子はいつも通り一緒に帰っている。
(途中まで朋子も一緒だった)


『そういえばね、昨日おとんが言うてはったんや、
とある国では、みんなが好き勝手をしすぎてはるんやと、おまけに、妥協できることでも、譲れることでも全く少しも妥協し合わへんねんから、いつまでも争いが終わらないんやと。
それって大変やなあ
少し、考えさせられたで。おかんも可哀想やなあって言ってはるで』

と、芽衣が心配げに言った。芽衣の読んできたミステリに関西弁のキャラが結構出てくるから,時々関西弁がでてしまう。


『そやね、それはえろう大変そうやわ!

争いが終わらないんじゃ、
国が平和にならないんじゃ、
その国の人たちは平穏に
生きられないわね。
大変そうね、その国の人たち。
それと比較すれば、私、日本で暮らせて、日本人で、心底、良かったわ!
日本の漫画アニメもサブカルチャーも好きだし
日本の治安で、満足だもの!』

と涼子も心配げな顔をする。

『そうよねえ、
自己主張がしづらい環境も
ひどく窮屈だけども、
奔放すぎる振る舞いも
同じくらい、問題なのね。
難しいのね、
人と付き合うって、難しいときもあるわ、
もちろん、だからって一人ぽっちも
辛いけど。

日本人の中には堅苦しい性格の人も多い、て思ってたけど、
堅苦し過ぎてもいけないけど、
奔放すぎても、やはりいけないのね。
難しいわね。
わたしたち一人で生きていけないから、周りと協調するのも大切なのよね』
と、みり。



『そうよねえ、
私たちは一人だけで生きてるわけではないから、他人の考え方や価値観を最低限知ることも、きっと大切なのよね。
個性も自分のペースも大切だけど、ある程度の協調性も、大切なのね、
きっと』

と、芽衣は言いながら、
ともちゃんがあのように泣くような性格になっちゃったのも、
よほどのそれだけの事情があるのかしら?
今度本人に聞いてみたほういいわね、

と思った。

『そうよねえ。

協調性も、大切だし、
でも、
一方で、自分の考え方やペースも、大切なのよね、
難しいわねえ。』
と、涼子。