それから朋子は、元気で明るく陽気になったし、適度に自分の思いを言えるようなったし、暗い影は無くなった。


朋子は確実に
勇気を持てて強くなってた。

それを裏付ける証拠として。

とある日の合同体育で
男女混合の
サッカーした時。

朋子のクラスが2点差で惜しくも負けてしまった。


惜しくも負けたが
精一杯やったから、
なんかすっきりしてた朋子と
朋子のクラスの子達であった。
が。


隣のクラスの
板場雄希(いたばゆうき)が、彼のクラスの
中田純一に言った。
「純一、あいつに、さっき
ぶつかってごめん,て謝ったろ、
あの一ノ関に。
あいつにだったら謝らなくてよかったのに


他の子ならともかく一ノ関修子なら謝る必要ないのに!
あいつなら謝らなくてよかったな」
と言った。

そばにいた
板場と純一の共通の親友の、
村岡博光と山田裕太が、苦笑いしたが、
そんな言い方は良くないだろと
友達を諭すことをしない。


一ノ関修子(いちのせきしゅうこ)は、
普段はポプリ学級で授業をうけていて、
体育と音楽と図工の、時間だけ
他のみんなと一緒の授業を受けている。


朋子は、なぜこういう意地悪喋るんだろ,
と思った。
自分にいやなところがあるなら
言ってくれれば直すから、
うちなら、言ってもらいたいのに。

自分に
いやなところがあるなら,
ふつうに言ってくれれば治すのに。



朋子は、
板場のとこにあるいていった。
朋子は前の日に見た
「マドレーヌガール」の
イケメンキャラクターの松浦くんのセリフ思い出した。
「貴様もちゃんと言いたいこと,言った方いいぜ」
「ちゃんと言えるじゃないか」



「板場さん。

自分にいやなとこがあるなら、
言ってくれれば直すから、
うちなら、普通に言ってもらいたいんだけど。


自分に、いやなとこがあるなら、
うちは言ってもらいたいけど。

それとも一ノ関さんに
意地悪なことや
気に障ること
された?」


と朋子がおだやかに、だが
しっかりした口調でいう。


板場は、朋子に言われて、
一瞬ぽかんとしたが、
「べ、べつに。
そ、そ、そうだな」
とだけいい、立ち去って行く。