屋上に出ると、高い空が広がった。 あ……夏……。 なぜか空を見てふとそう思った。 「萩野?」 「さっきの、冗談だから。」 「うん、分かってる。」 萩野はバツが悪そうに私を見た。 本当に、悪いと思ってくれてるんだ……。 素直に謝ろうとしてくれる萩野がなんだか可愛く見えた。 その時、 ガチャッ 「梨央~!!」 甲高い猫なで声が屋上に響いた。