「ヘーキじゃね?」 それだけ言って俺は歩き出した。 不安にさせたのは俺なのに、 佐野が急に気にし出したことがたまらなく面倒くさくなった。 「ねぇ、女の子に見える?」 「見える見える。」 男みたい、って言ったのは 男みたいに思いっきりがいい、って意味だったし。 ちゃんとちっせーし女だよ。 「ならいいんだ!」 一気に上機嫌になった佐野にまたイラッとした。