クラスのみんなが思い思いに帰って行くのを見送って「なんで?」と、呟いた。


あたしなにかやったっけ?


今日は少し生徒たちから注目を浴びてしまったけれど、それはあたしのせいじゃない。


安岡君と杉田君のせいだ。


「詩、大丈夫?」


立ちつくしているあたしに、かんなが声をかけてくる。


その声でハッと我に返るあたし。


「へ? あ、うん……」


そう言うが、本当は全然大丈夫じゃない。


なんの話があるんだろう?


「ごめんねカンナ。実は今日柳本先生に相談したの」


「相談……?」


あたしは首をかしげてカンナを見る。


「うん。詩が安岡君と杉田君に目を付けられているんじゃないかって……」


「へ!?」


カンナ、そんな相談を先生にしちゃったの!?