先生が保健室まで連れて行ってくれたお陰で、あたしは30分ほどぐっすり眠ることができた。


チャイムの音で目が覚めると、頭が随分とスッキリしている。


これなら次の授業で眠気と戦う必要はなさそうだ。


ベッドから体を起こし、うーんと伸びをする。


少し重たかった体も軽くなっている。


やっぱり、ちゃんと寝ないとだめだなぁ。


そんな事を思っていると、保健室のドアが開いてカンナの


「先生、野上さんいますか?」


と、保険の先生に尋ねている声が聞こえてきた。


あたしはすぐにベッドのカーテンを開けて外へ出た。


「詩! 体調大丈夫?」


「うん、大丈夫。ただの寝不足だから」


あたしは保健室の先生にお礼を言って部屋を出た。


「詩がいきなり先生に連れられて教室を出るから、ビックリしたんだよ?」