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午後からの授業は数学だった。


先生が教室へ入ってくるといつも通りあたしと目が合い、そして笑う。


その笑顔は自分だけに向けられたもので、あたしはまたドキッとしてしまった。


数学の授業はちゃんと聞かなきゃ。


そう思い、気を入れ直して教科書とノートを開く。


真剣に話を聞き、真剣に教科書を読んで、真剣に問題を解いて行く。


途中までは順調だったけれどご飯を食べた後ということで、眠気が襲ってきた。


ここで寝ちゃダメだ。


次の授業で寝ればいいんだから、今は起きて先生の授業を聞いてなきゃ。


そう思えば思うほど、意識が薄くなって行く。


時々目を閉じて、ハッと目を開く。


そんな事を繰り返しているうちに教科書はどんどん進んで行く。