イケメン先生は危険男子でした!?

そうしていると、先生の右手があたしの顔の横にトンッと置かれた。


瞬間、グッと距離が縮まる。


「なにがあったんだよ。俺には話せないこと?」


耳元でそう囁かれ、カッと体が熱くなる。


きっと耳まで真っ赤になっているに違いない。


恥ずかしくて、あたしは足元に視線をうつした。


「な……なにもないってば!」


「嘘付け。こっち見ろよ」


先生はあたしの顎に指をかけ、クイッと顔をあげさせた。


キスできそうな距離。


先生の香水の香り。


先生の息があたしの前髪を揺らす。


あまりに近い距離に心臓はドクドクと跳ねて、呼吸が苦しくなって、今にも倒れてしまいそうになる。


「詩?」


先生があたしの名前を呼ぶ。


その声は低く甘く、鼓膜から体中がとろけてしまいそうな感覚になる。