イケメン先生は危険男子でした!?

【資料室】に入った瞬間、後ろでドアのカギがかけられる音が響いた。


あたしはハッとして振り返る。


「なんで……カギ……?」


「他にバレたらヤバイだろ」


先生はそう言い、スーツの胸ポケットからタバコを取り出した。


慣れた手つきで一本取り出し、口にくわえて火を付ける。


あたしはその一連の動作を見ながら、少しだけ後ずさりをした。


「あ? 詩、お前タバコ苦手?」


「え……? いや、別に……」


吸ったことがないから得意というワケじゃないけれど、あたしは左右に首をふった。


すると先生は一度だけ煙を吸い込み、すぐに灰皿にタバコを押しつけて消してしまった。


「で、今日はどうした?」


そう言い、あたしの頬に触れる。


その大きな手に一瞬身を縮める。


「ど……どうしたって……何が?」