イケメン先生は危険男子でした!?

☆☆☆

そして1人でなんとかたどり着いた職員室。


あたしはそのドアの前で胸に手を当てた。


ドクドクと心臓が嫌な汗をかき始めている。


ドアをノックしようと手を上げ、しかしそこからなかなかノックできずに動きがとまる。


少し深呼吸をして、またノックしようとする。


そんな事数回繰り返した時、突然後ろから声がした。


「おい、なにしてるんだよ?」


そんな声に驚いて振り返ると、あきれた表情を浮かべた柳本先生がそこに立っていたのだ。


驚きすぎて、あたしは言葉も出ずにただ口をパクパクさせるばかり。


「先生……どうしてここに……」


やっと出た言葉がそれだった。


柳本先生は呆れたようなため息を吐き出してあたしを見た。


「野上がなかなか来ないから教室まで呼びに行ってたんだよ。


行き違いになったみたいだけどな」


「そ……そうですか……」


教室まであたしを探しに行くなんて、一体どんな話があるっていうの?