元はと言えば、あたしが先生と脅迫して付き合ってもらおうなんて考えたのが悪いんだ。


先生の顔が、全部演技だったなんて今でも信じられない。


まるで、あたしの事をおもちゃみたいな目で見ていた。


面白そうなヤツだって、顔をしていた。


「優しいと思ってたのに……」


そう呟く声は完全にかき消されていた。


あたしは枕を離し、そっと自分の唇に触れてみた。


今でもリアルに思い出す先生の唇の柔らかさ。


その瞬間ドキンッと心臓が跳ねた。


突然の事で頭が真っ白になっていたけれど……あたし、先生とキスしちゃったんだ……。


そう思うと、顔がカッと熱くなるのがわかった。


しかも、最初は自分からしちゃったよ!!


今更になって自分の行動に自分で驚き、そして後悔する。


なんてことしちゃったんだろうあたし……。