イケメン先生は危険男子でした!?

「じゃぁ、何か俺に用事?」


そう聞き返す先生に、あたしはスッと唇を近づけた。


そしてそのまま先生の唇に自分の唇を押し付ける。


抵抗されるかと思ったけれど先生はなにもしなかった。


先生の唇は見た目よりもやわらかくて、少し乾燥していた。


あたしが先生から身を離すと、先生は戸惑ったように視線を泳がせる。


「先生、あたし先生が好き」


ジッと先生を見つめてそう言った。


「野上は……この前来た時も俺にキスしたね」


その言葉に、ハッとする。


よく眠っていると思っていたけれど、頬にキスしたことに気が付いていたのか。


「あれは頬にしただけです」


「それにしても、勝手に人にキスをするのはいけない事だよ?」


先生はそう言い、いつもの優しい笑顔を浮かべた。


あたしはその笑顔が腹正しく思え、先生の机をガンッ!と足で蹴ってやった。


その行動に先生は目を見開き、あたしと机を交互に見つめる。


眠っているフリをしていたということは、この笑顔だって偽物かもしれない。


さっきキスをして戸惑った顔をしたのだって、きっと嘘。