イケメン先生は危険男子でした!?

☆☆☆

西日を浴びながら廊下を歩く。


上履きが廊下にこすれてキュッキュッと音を鳴らす。


でもその音は、この前よりももっとゆっくりで、慎重になっていた。


一歩一歩、しっかりと地面を踏みつけるように歩いていく。


そして、【資料室】の前までたどり着いた。


【資料室】の扉は相変わらず木製で、少し埃っぽい。


今はそのどれもがあたしの行動を否定しているように見えた。


たとえば木製のドアは重たくそこに鎮座していて、あたしを中に入れないようにしているように見える。


たとえばドアの埃は、小さな兵隊になってあたしに向かって来そうに見える。


あたしは、今から自分のしようとしていることが最低なことだと、自分で理解していた。


だから、いつもの景色がこんな風に見えているのだ。


それでも……。


あたしはまた深呼吸をした。


……あたしは、今日先生に告白する。


コンコンと軽くノックをすると、中から「誰?」と、柳本先生の声が聞こえてきた。


今日は昼寝していなかったみだいだ。