イケメン先生は危険男子でした!?

カンナの手は柔らかくて暖かくて、そこから勇気が流れ込んでくるようだった。


あたしは1度かんなの手を強く握り返し、そして離した。


「ありがとう、カンナ」


「うん。結果とか、あたしからは聞かないから」


「……そっか」


「うん。じゃあね、また明日」


そう言い、カンナはいつもと変わらない笑顔を浮かべて教室を出たのだった。


あたしはみんないなくなった教室の中、壁に掛けられている時計に目をやった。


ホームルームが終わってから15分ほど経っている。


まだ校内に生徒たちは残っていて、校庭では運動部がウォーミングアップを始めている掛け声が聞こえてくる。


そんな中、あたしはゆっくりと席をたった。


鞄を右手に掴み教室を出て廊下の端っこにある女子トイレに入る。


女子トイレには全身鏡が設置されているため、あたしはそれで自分の身だしなみをチェックした。