あたしは昨日カンナに言われた事を思い出した。


『じゃぁ、卒業するときに告白するの?』


『そっかぁ。じゃぁ、まだまだ先だね』


その時思ったんだ。


卒業する時まで、あたしの気持ちは変わってないだろうか、と。


もし他に素敵な人が現れて、そちらを好きになっていたら?


もし彼氏ができていたら?


そう考えると、先生を好きだと胸を張って言える自分は今だけだという気がした。


今を逃せば、この気持ちを失っているかもしれないという事が、こわかった。


「まぁ、詩が決意したなら、それでいいんじゃないかな?」


カンナがそう言い、微笑んだ。


「うん……」


「あたしはいつでも詩の味方だからね?」


「ありがとう、カンナ」