と言っても、あたしはあまり料理が得意ではない。


だからいつも作るのはサラダとかおみそ汁とかだ。


それでもなにもしないより随分助かると、お母さんは褒めてくれる。


今日も簡単なおみそ汁と炒めものをして、洗濯を取り込んでたとむ。


その間もあたしは先生の言葉を思い出していた。


「黒龍かぁ……」


先生が本当に黒龍だとしても、あたしの気持ちはきっと変わらない。


あたし、先生が好きだ……。


先生の寝顔を思い出すと、今でも胸がキュンッとなる。


ぼんやりして洗濯ものをたとむ手た止まっていると、アランが「キャンッ!」と吠えた。


ハッと我に返ってアランを見ると、ソファに上がってあたしのカバンを鼻さきでかいでいる。


きっとお弁当の匂いがついているからだ。


「しまった。宿題出てるんだった」


あたしはそれを思い出し、急いで洗濯ものをたとんだのだった。