「ただいまぁ」


門を開けて玄関を入ると、すぐに愛犬のアランが駆け寄ってくる。


両親は共働きで昼間は1匹でお留守番をしているから、あたしが帰ると千切れそうなほどしっぽをふって出迎えるのだ。


「ただいま、アラン」


真っ白なチワワのアランを片手で抱っこしてリビングへ向かう。


リビングには真っ白なコの字形のソファが置いてあり、真ん中には薄い茶色のテーブルがある。


ドアと逆側にテレビとテレビ台が置かれていて、テレビ台には家族写真が何枚かかざられている。


あたしと両親とアランの写真だ。


「よいしょっと」


アランを床に下ろし、カバンをソファに投げるとすぐに手を洗う。


両親が帰ってくるのは夕方だから、簡単なご飯を作っておくのだ。