ガッカリと肩を落とす。


明日は小テストがあると聞いたから、大好きな先生に勉強を教えてもらおうと思い、放課後ここへやってきたのだ。


この【資料室】は生徒も先生も兼用の部屋のハズなのだが、いつからかあたしの大好きな先生……柳本悠真(ヤナギモト ハルマ)先生の個室になっていた。


柳本先生はあたしが高校2年にあがってから担任になった先生で、23歳と、まだ若い。


スラッと背が高く、バツグンのルックスをしているため、先生のファンは全学年に多かった。


とか言っているあたしも、先生の大ファンなんだ。


だから今日、先生が明日小テストをやるぞ! と言った時、先生に勉強を教えてもらえると思って、内心うれしかったのだ。


でも……肝心の柳本先生が不在となると楽しみは一気に消えていく。


明日小テストがあるという事実だけが残り、あたしはため息をはきだした。


仕方ない、早く帰って勉強しよう。


先生の科目は数学。


だから、数学だけは悪い点数を取りたくなかった。