「詩、お前なかなかやるなぁ」


今度は関心したようにそう言われたので目をパチクリさせていると、あたしの足元で伸びている2人の男が見えた。


あ……いつの間にやっつけちゃったんだろう。


ずっと目を閉じていたから全然気が付かなかった。


「詩、大丈夫か?」


男たちの体を足でどかしてあたしに近づく先生。


先生の香りが鼻孔をくすぐった瞬間、自然と涙があふれてきた。


「せんせっ……」


「ごめんな。俺のせいで怖い思いをさせて」


先生はあたしのブラウスを綺麗に直して、それから抱きしめてくれた。


「先生は……悪くない……! でも……怖かったよぉ……!」


ギュッと抱き着くと、それ以上の力で抱きしめ返してくれる先生。


先生はあたしの涙がおさまるまで、ずっと抱きしめてくれていたのだった。