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「やめてよ変態! 鬼畜!!」


叫び声をあげながら男の顔面に爪を立てて、そのままひっかいた。


男はうめき声を上げ、両手で顔をおさえる。


自分の爪先を見ると男の血が付いていて、思いのほか力が出ていたことがわかった。


呻いている男を力まかせに突き飛ばし、ソファから窓の方へと走った。


「威勢がいいな。王子様の到着まで鬼ごっこでもするか」


「くっそ……いてぇ……」


2人の男があたしの方へ体の向きを変える。


や、やばい……。


なんだか余計に挑発しちゃった気がするんだけど……。


ジリジリと逃げ腰になるあたし。


でも、この部屋が何部屋あるのかもわからないし、どこへ逃げればいいかもわからない。


ドアは男たちの後ろだし、どうすればいいんだろう……。