「ちょっと、痛いじゃない!」


声を張り上げながらも、さっきまでと違う雰囲気の2人に背筋が寒くなっていくのがわかる。


「王子様の到着が先か、お前が壊れるのが先か……」


「え?」


その瞬間、あたしのブラウスが音をたてて裂かれた。


咄嗟のことで一体何が起こったのか理解する暇もなかった。


のしかかってくる男の体重。


「【黒龍】総長の泣き顔が今日こそ拝めるかもな」


もう1人の男が楽しそうにそう言い、笑ったのだった。