「【黒龍】の総長をやっているのも、きっと自分の居場所を自分の手で作りたかったからなんだろうな。


こんな大金持ちの坊ちゃんが総長なんてする必要はないんだからな」


男はそう言い、胸ポケットからタバコを取り出して火をつけた。


「そっか……。教えてくれてありがとう」


先生の事、少しでも多く知れてよかった。


できたらあたしが先生の居場所になってあげたかったな……。


なんて思ったりもするけれど、これ以上わがままを言うことはできない。


あたしの気持ちは全部手紙に書いてきたんだしね……。