イケメン先生は危険男子でした!?

そんな事を思っていると、男があたしの通学カバンをあさり始めた。


「ちょっと、なにするのよ」


慌てて男からカバンを奪い返し、ギュッと両手に抱える。


「お前の携帯電話を探しているんだよ」


「携帯電話? なにする気よ」


「はぁ? 柳本に連絡するに決まってるだろ」


男は呆れたようにそう言う。


あ、そっか。


先生が助けに来るかどうか、確かめなきゃ解放されないんだった。


「それならそうと言ってよね。勝手にカバンの中身見ないでよ」


ブツブツと文句を言いながら携帯電話を取り出す。


「ったく、生意気な人質だな」


男もそう文句を言いながら、あたしから携帯電話を受け取った。


「でもさ、ここってすごい高級ホテルだよね。人質をとるのになんでこんな場所なの?」


男の1人が携帯電話で先生と話をしている間、もう1人の男にそう質問を投げかけてみた。


男は口にくわえていたタバコを灰皿に押し付けると、白い煙を吐き出した。