イケメン先生は危険男子でした!?

☆☆☆

男たちがあたしを車で連れてきたのは、ビルの最上階だった。


どうやらこの人たちもなかなかお金もちみたいだ。


あたしは初めて歩く高級なホテルにドキドキして、知らず知らず背筋を伸ばして歩いていた。


そして通された先の部屋は広くて見晴らしのいいスイートルームだった。


「わぁ……すごい!!」


思わず大きな窓に駆け寄って行きそうになり、それを黒服ピアスの男に止められてしまった。


「こら、窓に近づくな!」


あ、そっか。


あたしは人質だっけ。


堂々と窓に近づくことなんてできるワケがない。


「でも、こんな高い場所なんで誰も見てこないよ?」


「念のためだ」


そう言い、腕を掴まれて部屋の中央にあるソファに座らされてしまった。


せっかく素敵な部屋なのに、自由に動くことができないなんて、人質って損だ。