イケメン先生は危険男子でした!?

あたしは愛情の詰まったそのお弁当箱に、グッと胸が圧迫される感覚を覚えた。


こんなにあたしのことを心配してくれている人がいる。


それなのに、あたしはその人へ向けて笑顔を浮かべることができない。


それがたまらなく情けなくて、今の自分の中には先生以外が入り込む隙がないということを再確認させられる。


あたしはお母さんと目を合わさず小さな声で「ありがとう」と言うと、玄関を出た。


外の空気を思いっきり吸い込むと、少しだけ胸の奥がスッキリするようだった。


「……笑わなきゃ」


学校へ行ってまでこんな湿ったれた顔でいるワケにはいかない。


あたしは自分の頬を指先で持ち上げて、一生懸命笑顔を練習したのだった。