先生の威嚇するような声に、怯えたように返事をしている2人。


一体、3人はなんの話をしているの?


気になって、あたしは少しだけ顔を出して様子をうかがって見た。


するとそこにはいつも笑顔を絶やさない先生の姿はなく、険しい表情で2人を睨みつけている先生がいた。


ドクンッと心臓が嫌な音を上げて、あたしはすぐに顔をかくした。


あんな先生、今まで1度も見たことがない。


少し天然で可愛くって……。


それが、あたしの知っている柳本先生だった。


「本当だろうな?」


「「ほ、本当です!!」」


「今回はお前らの言葉を信じといてやる。でも忘れるなよ、俺は黒龍の総長だ。この辺で好き勝手はさせねぇ。絶対にな」


「「は、はい!!」」


「それから、俺が黒龍の総長だってことはくれぐれも内密に……な?」


「「も、もちろんです!!」」


先生と2人の会話を聞いてしまったあたしは、慌てて校舎の外へかけて行ったのだった。