急いで窓にかけより下を見て見ると、いつかと同じように安岡君と杉田君の2人の姿があった。


また、【黒龍】でなにかあったのかな?


あたしはそう思い、すぐに階段を駆け下りた。


「2人とも、どうしたの?」


少し息を切らしながら玄関を開けると、2人がなにか言いにくそうにモジモジと顔を見合わせた。


なんだろう。


なんか、いつもの2人とは違う雰囲気だ。


「あの……実は俺たち……柳本さんに頼まれていたことがあるんだ」


「先生に……?」


あたしはキョトンとして首を傾げる。


「前に俺たちが資料室で話してたこと、覚えているか?『詩は俺が黒龍の総長だという事を知っている。


なにかあった時に、お前ら頼むぞ』柳本さんが、俺たちにそう言ったこと」


そう言われ、あたしは「あぁ、あの時のこと」と、頷いた。


あたしが先生の正体を他人にバラしたりしないか、見張っておけって意味だったんだよねあれは。


だってそれ以降2人があたしの教室に来たりするようになったんだもん。