せっかくすべてを聞いてもらったのに。


こんな結果になってしまうなんて……。


なさけなくて、今度は笑みがこぼれた。


「なにやってるの、あたし……」


1人よがりに頑張って、1人で突っ走って、それで結局失敗して。


最初からもっとカンナに相談して決めれば、もっと違った結末が待っていたかもしれないのに。


そう思った時、携帯電話が鳴りだした。


だけどそれは聞いたことのない音楽で、あたしはようやくベッドから体を起こすことができた。


「誰……?」


ベッド脇のテーブルに置きっぱなしにしていた携帯電話を手にとる。


そして、画面を確認した瞬間ハッと息を飲んだ。


画面にはあり得ない人の名前が出ていたのだ。


【柳本】


確かに、ハッキリそう書いてある。


あたしは混乱しながらも、電話に出た。