あたしとカンナは近くの公園へと移動してきていた。


小さな公園で、時間が早いからか周りにはまだ人の気配は感じられなかった。


あたしとカンナは公園の隅に設置されている木製のベンチに腰を下ろした。


「カンナ、今までなんの説明もしてなくてゴメンね」


あたしはまず、あたしの事を一番に心配してくれているカンナにそう言った。


ずっとずっと、何も話せなくってごめん。


それでも待っていてくれて、ありがとう。


その想いを伝えると、カンナは柔らかく微笑んで「別に、気にしないで?」と、言った。


「それでね……カンナ……」


あたしは大きく深呼吸をして、先生とあたしの出来事を打ち明けた。


カンナと一緒に帰った時、忘れ物を取りに戻ったことが、そもそものはじまりだった。


先生と安岡君と杉田君の会話を聞いて、自分がなにを思いついたのか。


そして、それを行動にうつしたこと。


証拠の写真なんてないのに、嘘をついたこと。


先生はあたしの事が好きで一緒にいるワケじゃないこと。