イケメン先生は危険男子でした!?

「現に野上さんは先生のアパートから出てきた……おかしいわよね?」


ジリジリと距離を縮め栄子ちゃん。


あたしは距離を置こうと後ずさりをする。


「どういうことか説明してよ……。野上さん、先生の部屋にいたんでしょう?」


目が座り、なにがおかしいのか口角が上がっている。


この子、普通じゃない……。


あたしは何も答えられずに後ずさりをして、背中が電柱にぶつかってしまった。


「説明しろよ!」


行き場を失ったあたしに向かって、栄子ちゃんが掴みかかってくる。


もう、ダメ!!


栄子ちゃんの振り上げた拳が目の前まで来たとき、あたしを呼ぶ声がした。


「詩、なにしてるのぉ? あたしのアパートはこっちだよ!?」


聞きなれたその声にギュッと閉じていた目をそっと開いた。


栄子ちゃんは拳の行き場をなくし、勢いもなくしている。


そして、その後ろに見えるのは……カンナだ……!


どうしてここにカンナが?