イケメン先生は危険男子でした!?

「あたし、隣のクラスの栄子(エイコ)よ」


彼女は自分からそう名乗った。


栄子ちゃん……?


名前を聞いてもやっぱりわからない。


だけど相手はあたしのことを知っているみたいで、頭の中は混乱してくる。


「あたしね、柳本先生のファンなのよ。だから、先生がクラスの女の子と関係を持っているって噂を聞いて、すごくショックだった」


栄子ちゃんはそう言い唇を噛んだ。


本当にくやしそうなその表情に、あたしは一瞬たじろく。


なんだか、この子こわいな……。


「う……噂は違ったでしょ? 柳本先生はあたしを助けてくれただけで……」


「そんな事、あたしが信じると思う!?」


栄子ちゃんはかなぎり声を張り上げる。


先生のことが好きすぎて周囲が全く見えていない。


そんな雰囲気だった。


微かに狂気さえ感じて、背筋がゾクッと寒くなる。