イケメン先生は危険男子でした!?

☆☆☆

部屋を出てそっと玄関のドアを閉めると、あたしは大きく伸びをした。


ちゃんとした場所で眠らなかったせいで、朝なのに眠気を感じる。


早く帰って少し寝よう。


そう思い、欠伸をかみ殺しながら階段を下りていく。


と、降り切ったところで人の視線を感じて、あたしは周囲に顔を巡らせた。


だけど周辺には誰もいなくて、あたしは首をかしげた。


気のせいかな?


そしてまた歩き出そうとしたその時だった。


「野上さん?」


突然名前を呼ばれてあたしは驚いて振り向いた。


そこにはワンピース姿の見知らぬ女の子が立っている。


「……誰?」


どうして、あたしの名前を知っているの?


そんな疑問が浮かんでくるけれど、女の子はあたしを鋭い眼差しで睨み付けてくる。


あたし、この子になにかしたっけ?


そう考えてみても、女の子の顔も思い出せない。