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それから先生はあたしの作ったおかゆを全部食べて薬を飲むと、再び眠りについた。



食欲も戻ってきたみたいだし、この分なら明日の朝には元気になているんじゃないかな?


そう思いながら、先生の額にそっと手を当てる。


思った通り熱は随分下がっているようだ。


「よかった……」


本当は自分の気持ちを伝えるためにここまで来たんだけれど、とにかく先生の病気が治りそうでよかった。


あたしの気持ちを伝えるのはそれからでも遅くない。


今の気持ちは全部、ここに書いてきているんだもん。


そう思い、ポケットの中の手紙に触れる。


「悠真……好きだよ」


先生の寝顔へ向けてそっと呟く。


相手が眠っている間なら、こんなに素直に口に出せるのにね……。


あたしは持ってきた手紙をチェスト一番下へそっと入れたのだった。