結局その後先生は夜までぐっすり眠ってしまって、あたしは帰るに帰れない状態になってしまった。


おかゆはまだ作っていないし、先生の熱も下がっていない。


このままほっといて帰ることはできなくて、両親から外泊の許可をもらったのだ。


先生の部屋にお泊り……。


そうは言っても看病しているだけだからロマンチックなことは何もないんだけれど、それでもやっぱりドキドキしてしまう。


「悠真、お腹すいてない?」


おでこのタオルを変えたとき、そう聞いてみた。


すると先生はうっすら目を開けてこちらを見つめる。


「ん……詩……?」


「そうだよ?」


「……え、今何時?」


先生は慌てたようにそう言い、枕元の時計を見る。


時刻は夜の8時をまわっている。