先生が起きていたことに気づかず、ずっとキスしていた自分が恥ずかしくなる。


「詩……ずっと、そばにいて……」


「え?」


あたしは驚いて目を丸くする。


先生の口からそんな言葉が出てくるなんて思わなかったから。


今、先生はどんな顔でその言葉を言ってくれたの?


抱き着いているから先生の顔が見えない。


真剣だったのか、冗談だったのかわからない。


「悠真……?」


静かになった先生に首をかしげ、あたしはそっと身を離す。


すると背中に回されていた手はスルリとベッドへ戻って行った。


「寝ちゃったの?」


見ると、先生はまた目を閉じて規則正しい呼吸を繰り返している。


「ずるいよ、悠真……」


こんなに胸をギュッとわしづかみにしておいて寝ちゃうなんてさ……。


あたしはそう思い、ベッドの横に座り込んだのだった。